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『隼別王子の叛乱』 田辺聖子

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読書期間 9月27日~9月28日
田辺聖子 『隼別王子の叛乱』

これね、久々に本屋へ行って手に取った一冊なんですよ。
でね、タイトルだけ見て手にして、表紙見た瞬間、(;´Д`)
萌え系ラノベかよ的なw
田中芳樹サンの本もちょっとラノベ臭い表紙のモノが多くて、店頭で買うのちょっと恥ずかしいかなw

いや、でもね、中身はまー、その田辺聖子ワールド全開ですわ。
この方、古典モノ本当に素晴らしい。
久々に美しい日本語、本来の日本語が持つ美しい響きに酔いました。
マジで。
上代の大和言葉、こうなんだろうなぁと。
あ、でも、話し言葉の部分ではなくてね。
なので、繰り返し読んでしまった。

二章からなる『古事記』からインスパイアされた作品。
第一章は、隼別王子と女鳥皇女の悲恋を中心にした構成である。
そして、二章ともにすべて登場人物のモノローグで進行する。
大鷦鷯大王(おおさざきのおおきみ 諡号:仁徳天皇)の異母弟である隼別王子(はやぶさわけ)が大王に弓を引く。
事の発端は、大鷦鷯大王が妻問いした女鳥皇女(めどりのひめみこ)と、その妻問いの使者に立った隼別王子が結ばれてしまったことからである。
女鳥のことを諦められない大鷦鷯は女鳥を難波宮の高楼に監禁してしまう。
それを奪還しようと宮に攻め込む隼別。
が、しかし、隼別は女鳥を奪還することが出来ずに、難波の地から伊勢・尾張方面を目指して落ちて行く。
大鷦鷯は追討軍を組織し、隼別を追わせる。
一方、大鷦鷯の正妃である磐之媛(いわのひめ)は腹心に命じて、女鳥を逃し隼別と合流させるように命じる。
2人で死なせるために…
若く美しい恋人たちは死なねばならないからだ。

そう、若く美しい恋人たちには悲劇がよく似合う、これは古今東西のいずれも通じる美意識である。
若く美しい恋人達だけではなく、才能に恵まれた人間もまたそうだ。

後半は、隼別王子の叛乱から16、7年後、磐之媛が溺愛する次男、住之江王子の叛乱へと続いていく。
歴史は繰り返す。
夫である大鷦鷯に裏切られ続け、溺愛する息子の住之江にも疎ましがられ、磐之媛は失意の中、黄泉の国へと旅立つ。

最初読んだ時に、軽皇子と衣通姫の悲恋を思い出し、また、三島由紀夫の『豊饒の海』を思い出した。
三島の『豊饒の海』は『浜松中納言物語』をモチーフに取っているけれど、なんとなく相通ずるものがあるのだ。
各巻の主人公は20歳で死に、またその後転生する。
そして、美しい死生観。
その美しい死生観はこの上なく美しい日本語で語られる。

若者達というのはただそれだけで美しいのかもしれない。
無見識で、狭量で大人たちを認めない。
酷薄で傲慢不遜なまでに美しい。
それは若さゆえの特権なのかもしれない。
何を言って諭しても、自分たちの価値観に落とし込もうとする。
どんな些細な反抗であっても、大それた叛乱であっても、彼らの正義であることに変わらない。
飼いならせない野生を持て余す。
大人はその馬鹿げた一本気を憐れみながらも好ましいモノとして見守る…

それは自分たちが熱く、ひたむきに過ごしたもう戻ることのない時代。
大鷦鷯と磐之媛は、いくら美少女を手に入れたとしても、隼別になれるわけでもなく、いくら住之江を溺愛しようが女鳥になれるわけではないということに気が付く。

「老い」とは平等に確実にどんな人間にも訪れるのだから。
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テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学

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ま、いつも通りにテキトーに。

「レポ」とか何さま気取り?みたいなw
そんなカッケーもんじゃない。
「レポ」なんつって書いてたらちゃんちゃらおかしいわw
確かに全世界に垂れ流してはいるが、極めて内向きのオ●ニーブログですw
でも、全部自腹だよーんw
なので、書いてること、感想はあくまでもアテクシどもの個人的な感想、ゆえにまったく参考にならんと思うので、各自自己責任で、なw
ヲイラは責任取れません。
予定では0:00の更新だよ。

「全記事一覧」から記事を見ようとすると、めんどくさいと思うので検索してみてくださいお('A`)
…てか、検索してまでも見ないわなw

<掲載予定>
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