『子産』 上 宮城谷昌光

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読書期間 3月7日~3月8日
宮城谷昌光 『子産』 上

もう何度読んでいるかわからんですが、年末から年初にかけて日本の政治と言いますか、
周辺の事情が目まぐるしく変わっているのを考えた時、子産が生きた戦国期の「鄭」という国の有り様を思い出したですよ。
それで久々に読んでみようかな、と。

尊敬する人物は節操がないくらい山ほどいるのだけど、子産、楽毅、諸葛亮…
好きだね、子産。
「鄭」…西周から春秋戦国時代まで存在した、現在の河南省アタリに位置する国。
周の宣王の同母弟、桓公が鄭に封じられたことに始まる。
周王朝の卿士を務める家柄であることから、代々の君主は自尊心が高く、
覇者となった斉の桓公の後塵を拝すことを良しとしなかったために、斉を中心とした諸侯の会盟から脱退。
周の恵王の卿士となり再び周王朝において権勢を誇るが、周王朝の王族出身であるという自尊心の高さが災いし、
鄭の文公は、晋の文公(重耳)が覇者となると、重耳が放浪時代に鄭の文公から受けた屈辱的な言辞や扱いに対する報復として誅殺されることになった。
そして、覇を唱えた北に位置する晋と南から台頭して来た楚の二大強国に挟まれる位置にある鄭は難しい立場に立たされることに陥った。
そのために、子産が生まれる前の鄭は、晋に対して臣従を誓い、それを楚に責められると楚に付くという二重外交を繰り広げ、
楚の荘王の討伐を受け、やがてそれは「邲(ひつ)の戦い」と呼ばれる晋楚戦争を引き起こす原因ともなった。
その後、二大強国の狭間にあった鄭は小国であるがゆえに、二国の争いに巻き込まれ没落は避けられなかった。

そんな小国の鄭に「子産」という名宰相が登場し、弱小国の鄭を安定させる善政を行い、世界史上初の成文法を定める。
子産は弱小国の鄭の宰相でありながら、この時代最高の知識人であり、後に孔子が子産に私淑するくらい敬仰した人物である。
内政はもちろん、軍事、外交にも抜群のバランス感覚を発揮し、弱小国の鄭の宰相でありながら、二大強国である晋と楚を調停し、和平をもたらす。
のちに、鄭において成文法を制定し、各国から非難を浴びることになるが、従来ならば、老荘思想により「為政者は徳で統治する」という儒教・老荘思想の統治法や、
すでに衰退して久しい周王朝を頂点にした宗族制度という身分制度の限界、崩壊をはっきりと見極めたからこそ、
法体系を大きく変えなければ、人民を統治していくことは難しいと考えたのだろう。
自身も公孫という貴族階級の出自でありながらも、それまでの階級制度を否定するようなシステムを構築するという、大鉈を振るうことが出来たことは賞賛、いや、驚嘆である。
「礼」という人間関係を円滑にすすめ社会秩序(儒家にとっては身分制階級秩序)を維持するための道徳的な規範を洗練された学問まで高みに押し上げたのも子産である。
また、当時の貴族社会に必須であった雅味を含んだ物言いも「修辞」と呼ばれる技法にまで高めたのも子産である。
その子産が「礼」よりも「法」を重視したというのは、君主や士大夫の時代からそれよりも身分が低い者たちが台頭する時代へと移り変わって行くのを子産はちゃんと見極めていたのだろう。

前置きが非常に長くなったが、日本という国は現代の「鄭」である。
内憂外患…
北にロシアを抱え、近隣には支那やら朝鮮半島には害になりこそすれ益にはならない二国があり、アメリカの顔色を絶えず伺っている。
小国の哀しさ。
支那やら朝鮮半島は置いておいて、アメリカとロシアの二大強国の間で面従腹背までいかないにしても二重外交をしつつある我が国、大丈夫かね?w
ふと、子産のような名宰相がこの国に生まれれば、なんて妄想もしないでもない(苦笑
歴史は繰り返されると言われたり、歴史に学ぶとはこのことか…
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ま、いつも通りにテキトーに。

「レポ」とか何さま気取り?みたいなw
そんなカッケーもんじゃない。
「レポ」なんつって書いてたらちゃんちゃらおかしいわw
確かに全世界に垂れ流してはいるが、極めて内向きのオ●ニーブログですw
なので、書いてることは感想はあくまでもアテクシどもの個人的な感想、ゆえにまったく参考にならんと思うので、各自自己責任で、なw
ヲイラは責任取れません。
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「全記事一覧」から記事を見ようとすると、めんどくさいと思うので検索してみてくださいお('A`)
…てか、検索してまでも見ないわなw

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