『マンチュリアン・リポート』 浅田次郎

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読書期間 2月20日~2月23日
浅田次郎 『マンチュリアン・リポート』

これも再読である。

張作霖爆殺事件について取り扱う。
浅田次郎は前作『中原の虹』では張作霖爆殺については取り扱わず、この『マンチュリアン・リポート』で張作霖の死を取り扱うことにした。
また、張作霖の子息である張学良の死(2001年)を待って作品化している。
そういえば、昔NHKスペシャルで張学良の番組を見たな。
なかなか考えさせられる番組というかインタヴューだった。

1928年6月4日早朝、奉天近郊の皇姑屯で奉天軍閥総帥の張作霖が乗った特別列車が京奉線と連長線のクロスポイントを走行中に満鉄線に仕掛けられた黄色爆薬300キロが爆発。
橋脚が崩落し、張作霖の乗る特別列車を押し潰した。
張作霖は両手両足が吹き飛ばされる瀕死の重傷を負い、奉天城内の統帥府に運び込まれるも絶命。
今際に「日本軍がやった」と言い残して。

昭和天皇は時の総理・田中義一から事件の経過など上奏される。
田中から「関東軍参謀河本大佐が単独の発意にて、其計画の下に少数の人員を使用して行いしもの」と説明を受けるも納得しない。
軍閥の領袖といえど、広大な支那の4分の1にあたる東北地方を支配する、事実上の王たる張作霖。
その王たる者を関東軍が爆殺したことに対し激怒し、そして「真実」を知ることを欲した。
そこで志津中尉(浅田の創作)を参内させ、この「満州某重大事件」について調査を命じる。
張作霖という軍閥の雄が謀殺されたことにより、中国は一層の混迷状態に。
予断を許さない政局。
謀略と誤算。
そして、秘された「真実」。

浅田次郎サンのフィクションの部分はさておき。
謎が多い事件であることは確か。
河本大佐の単独発意でもなく、関東軍だけの謀略でもなく、帝国陸軍上層部の考えであったであろうし、
奉天軍の中の、張作霖の側近と言われた人間の中にもこの謀略に加担した連中がいたことは事実であろう。
張作霖が乗る特別列車から天津で先発の列車に乗り替える常蔭槐、天津で下りる山東軍の張宗昌、そして日本人軍事顧問・町野武馬。
張作霖の側近達の不可解な行動は何を意味するのか。
そして、その後の張学良による粛清であったり、東三省において政権を担った人間達の顔ぶれを見れば想像もつく。

日本は「血潮に変えし満州」、東三省における日本の権益を守ることだけに汲々とし、傀儡たる張作霖が中原に進出し、覇権を握ることをよしとしなかった。
張作霖という時代の梟雄を失い、大陸は予断を許さない状況になる。
大陸を睨み、列強各国の思惑が交錯する。
そして、日本は張作霖という傀儡を失ったことによって、新たな錦の御旗を模索する。
手にした新たな駒は清のラストエンペラー溥儀。
清朝復辟を望む廃帝を担ぎ出し、東三省に時代の徒花「満州国」を建国することになる。
そして満州を手にしたことにより日本は抜き差しならない道を進むことになる。
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テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

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ま、いつも通りにテキトーに。

「レポ」とか何さま気取り?みたいなw
そんなカッケーもんじゃない。
「レポ」なんつって書いてたらちゃんちゃらおかしいわw
確かに全世界に垂れ流してはいるが、極めて内向きのオ●ニーブログですw
なので、書いてることは感想はあくまでもアテクシどもの個人的な感想、ゆえにまったく参考にならんと思うので、各自自己責任で、なw
ヲイラは責任取れません。
予定では0:00の更新だよ。

「全記事一覧」から記事を見ようとすると、めんどくさいと思うので検索してみてくださいお('A`)
…てか、検索してまでも見ないわなw

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